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日々あれこれ


by yangzi-o

はじめまして

<自己紹介>
 
・ニックネーム yangzi(ヤンズ)→本名の中国読みらしいです。
・性別      女性
・出身地     山口県
・住んでいた県 東京都 北九州市
・現住所     福岡市
・家族      夫と二人暮らし

 両親は小さな小さな軽印刷屋を自営していました。物心ついたときは夕食が終わるとすぐさま食卓(ちゃぶ台)は作業台となり、母はトントンと手折りをし、父はカリカリと謄写版を切っていました。私の原風景のようなものです。誕生日のプレゼントに2~3歳の幼児が遊べる小さな滑り台を買ってもらいましたが、いらなくなった謄写版の原紙でこするとよく滑るようになったという記憶があります。しかし、こういうことを書くとおのずと年齢がばれます。
 小学校3年生のころから両親の仕事を手伝うようになりました。手伝うといっても子供のすることですから、近くのお得意様まで校正刷りを届けたり、角をホッチキスで止めたり、間違えたらわかるように父が各台数えた刷紙を丁合したりしました。印刷屋にとって年間で最も忙しい3月は春休みでもあったので、ほぼ一日中手伝っていました。
 中学、高校と進級するにつれて、正月三が日しか休めない両親の仕事を疎んじるようになり、絶対に印刷業だけには就職しないぞと心に固く決めていたのですが、「カエルの子はカエル」の言葉どおり、高校を卒業後は印刷会社に入っていました。

 職人気質の父の血を引いてあまり人と頻繁に接触せずに黙々と作業することに向いていたのたでしょうか、版下作製、解版、植字、校正、製本と仕事内容の変遷はありますが、ずっと印刷会社で働いています。
 仕事に好きも嫌いもないのですが、現在の製本の仕事が一番肌に合っているようです。飽きやすい性格なので、折ったり切ったり貼ったり丁合したり綴じたり巻いたり等々、いろんな工程を経て最終的にいろんな形に作り上げるのがおもしろいのです。自分の天職だと思える仕事に就けて幸せです。仮製本の工程は一応自力ですべてこなすことはできます。

 機械操作は好きなのですが、縁あって「製本」という仕事に就いたからには、上製本をつくってみたいと長い間願望してきました。製本会社に就職する機会もなく、手製本の教室も近郊にはないので、栃折久美子さんの『手製本を楽しむ』を購入して、見よう見まねでつくってきました。ときたま諦めきれずにネットで「手製本」というキーワードで検索していたのですが、2008年5月、ついに「文庫本を上製本に仕立てる」という田中栞さんのワークショップをみつけ、即座に申し込みました。
 これで一気に火がつき、長年心の中に押さえこんでいた悲願実現に向け、横浜~大阪へと手製本のレッスンを受講することになりました。

 手製本の道は奥深く、まだまだ駆け出しですが、これで生涯、製本と縁を切ることなく続けられるという希望が見えてきました。
 一冊一冊、中身や表紙の装丁を考えながら手作りする楽しみにはまっています。
by yangzi-o | 2008-07-28 23:44 | はじめまして