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日々あれこれ


by yangzi-o

『待ってる 橘屋草紙』(あさのさつこ著)講談社

<何かを待たずにいられないのが、人の世のならい。では、おふくが「待ってる」ものは―?12歳の春、貧しい少女・おふくは、江戸・深川にある料理茶屋『橘屋』で奉公を始めた。美しく気丈な仲居頭のお多代は、おふくを厳しく躾ける。優しくも、温かくもない言葉の裏にある“何か”に気づいたおふくは、涙を堪えながらもお多代の下でたくましく成長していく。>

 あさのあつこさんの本は例の『バッテリー』があまりに有名ですが、なぜか私は一巻目の途中で読むのを挫折してしまい、それ以後あさのさんの著書からは遠ざかっていました。が、ふと時代小説は面白いかしらと図書館に予約し、読み始めるとここ2日ばかり没頭していました。
 奉公しているあいだに家族と共に夜逃げしてしまった母を待つ12歳のおふくは、奉公して5年目に、再婚している母を目撃してしまう。でも「おっかさんに新しい暮らしがあるように、あたしには、あたしの日々がある」と心底思えるほど、橘屋に根付いていた。このあたりの少女の心の成長というものを細やかに描いていて、久しぶりに本を読んで感動しました。このおふくを縦糸に、橘屋で働く中居頭のお多代をはじめとする人々の暮らしや思いを丹念に描いています。

 さてさて、肝心の豆本のほうですが、『姫島のネコ』の画像をようやく選び終えました。
 
by yangzi-o | 2009-06-10 22:33 | 読書