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日々あれこれ


by yangzi-o

5月読了本

◎「草原の椅子」(宮本輝)
◎「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」(辺見じゅん)
◎「睡蓮の長いまどろみ」(宮本輝)
〇「生きものたちの部屋)(宮本輝)
〇「約束の冬」(宮本輝)
〇「錦繍」(宮本輝)
〇「生きる力を取りもどす写真セラピー」(酒井貴子)
◎寺田寅彦随筆集第5巻
◎「三陸海岸大津波」(吉村昭)
◎「関東大震災」(吉村昭)

 今月も引き続き「宮本月間」でした。5冊読んだなかでは「草原の椅子」がダントツ良かったです。心に沁みる言葉が数え切れないほどあって、文庫本も購入しました。6月も引き続き「森のなかの海」を借りてきました。
 地震・原発事故関連の書籍も読みました。吉村昭氏の著作を読むと、今回の大震災による大津波がけっして「想定外」ではなかったことがわかります。どうして過去の災害を忘れてしまうのかということを寺田寅彦氏が70年以上も前に「文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防御策を講じなければならないはずであるのに、それがいっこうにできていないのはどういうわけであるか。そのおもなる原因は、畢竟そういう天災がきわめてまれにしか起こらないで、ちょうど人間が前車の顚覆を忘れたころにそろそろ後車を引き出すようになるからであろう」と指摘していることも知りました。

 「収容所から来た遺書」は私にとって大げさにいえば転機となる作品かもしれません。過酷な収容所生活のなかでも、考えているときは辛い労働も忘れられ、「句会」で発表しあうことで人間的なつながりを深めたという「俳句」というものに強い興味を持ちました。「俳句」に関する書籍や雑誌を怒涛のごとく図書館から借りて読み始めています。
by yangzi-o | 2011-05-30 21:43 | 読書