『つか王子駅で』堀江敏幸
2006年 11月 29日
よかったぁ。たぶん内容は半分も理解できていないと思いますが、読んだあと暖かい気持ちがじんわりと沁みてきます。
初めは「なんと長いセンテンスか」と息継ぎしながら読みましたが、終盤になると不思議と馴染んできました。わたしはどちらかといえば、プツプツと切れるような短い文章の方が苦手です。
翻訳や時間給講師をしている主人公のまわりの人々がいいです。「手足の思考能力を大切に育ててきた」旋盤工の職人さん、また、「変わらないでいたことが結果としてえらく前向きだったと後からわかってくる暮らし」をし、「周囲にいる人間にたいしていつも『のりしろ』になれるような、生まれつきの余白が備わっている」人々。
大家の一人娘の咲ちゃんの陸上200m予選の場面は、わたしまで一緒になって「いけっ、咲ちゃん!」と応援してしまいました。
一見ありふれた日常のひとこまを描いているのだけれど、こんな小説もいいなあと余韻に浸っています。またお気に入りの作家が一人増えました。
初めは「なんと長いセンテンスか」と息継ぎしながら読みましたが、終盤になると不思議と馴染んできました。わたしはどちらかといえば、プツプツと切れるような短い文章の方が苦手です。
翻訳や時間給講師をしている主人公のまわりの人々がいいです。「手足の思考能力を大切に育ててきた」旋盤工の職人さん、また、「変わらないでいたことが結果としてえらく前向きだったと後からわかってくる暮らし」をし、「周囲にいる人間にたいしていつも『のりしろ』になれるような、生まれつきの余白が備わっている」人々。
大家の一人娘の咲ちゃんの陸上200m予選の場面は、わたしまで一緒になって「いけっ、咲ちゃん!」と応援してしまいました。
一見ありふれた日常のひとこまを描いているのだけれど、こんな小説もいいなあと余韻に浸っています。またお気に入りの作家が一人増えました。
by yangzi-o
| 2006-11-29 19:58
| 読書