カテゴリ:心に残った言葉( 24 )

「一ケ所で負けても、他で挽回できたらいいんです。仮に挽回できずにその一局は負けたとしても、失敗は次の対戦に生かせばいい。囲碁をやめない限り、無駄にはなりませんよ」

 年頭からずっと途切れることなく続いてきた仕事の忙しさもようやくゴールの光が見えてきました。現実逃避的に読書に埋没するなかで、ハッとする文章や心慰めてくれる言葉がたくさんありました。「心に残った言葉」も復活させたいです。
 「囲碁をやめない限り」というのがミソですね。「継続は力なり」。「やめない」というのは言うは易く行うは難しです。張り切って一人吟行へ出かけ、結果つくった句が全没だったりすると、がっくりくるわけです。しかし何度も繰り返すうちに、だんだん失敗の要因が見えてきます。

 昨日は実家へ帰る車窓から「梅雨明け」の空模様をドラマチックに眺めることができました。
 さてきょうも、暑さをしのぎながらちょこちょことお出かけします。
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by yangzi-o | 2014-07-20 08:40 | 心に残った言葉
<みっちゃんもきっとそのうちわかるって、自分の分をみつけたときのすがすがしさっての? そのいうものがさ。そりゃあたしだって、ミリオン座をはじめた頃は、多少ヤケっぱちなとこもあったのよ。戦争さえなけりゃ、なんて思ったこともあったねぇ。でも妥協とか諦めじゃなくってね、今はここがいいと思ってんのよ>

 旅まわりの万歳芸人、映画監督志望だった復員兵、活字中毒の戦災孤児。年齢も境遇も違う三人の男が焼け跡の浅草で出会い、六区はずれの実演劇場にひろわれ、踊り子のボロアパートで家族同然に暮らすことに。昨年新聞か雑誌の書評を読んで図書館に予約して待つこと3カ月、ようやく手元に届きました。一気読みでした。ひさびさに読書を堪能できた気がします。実家の母にも読ませたいから、これは買いますね。
 心に響く言葉が随所に書かれてあるのですが、下積みの映画助監督だった実演劇場支配人である杉浦保のこの言葉が、今のわたしにはストンと落ちました。
 戦災孤児を題材にした小説としては、宮本輝氏の「骸骨ビルの庭」の方が好きですが、木内昇さんも文章が上手い!
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by yangzi-o | 2012-02-09 21:58 | 心に残った言葉
<悪い出来事もなかなか手放せないのならずっと抱えていればいいんですそうすれば、オセロの駒がひっくり返るように反転するときがきますよ。いつかね。>

 先週は土曜休みも返上して仕事漬けの毎日でしたが、昨日は定時に帰宅できたので、図書館で半年待った「ふがいない僕は空を見た」を一気読みしました。5篇からなる短篇の連作ですが、冒頭は「どうしてこれが山本周五郎賞なのか?」とおおいに疑問を感じる内容で投げ出すところでしたが、思い直して読みすすめるうちに物語の世界に引き込まれました。「セイタカアワダチソウの空」がとくに良かった。
 何年か前に読んだ桐野夏生さんの「メタボラ」に似た境遇の青年も出てくるわけですが、後味が悪くなく、「うつむく」のではなく「空を見た」というタイトルどおり、ハッピーエンドとまではいかずとも微かな希望の光が見えるところが良かったです。
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by yangzi-o | 2011-07-10 15:03 | 心に残った言葉

震災から四十九日

<現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。現場が発しているかすかな情報から見えない全体を読み取りなさい>

 宮本輝さんの『三十光年の星たち』のなかで心に強く残った言葉です。
 本日28日は東日本大震災から四十九日に当たることを知り、朝食の前に相方と二人、震災で亡くなられた方々のご冥福を祈って黙祷を捧げました。
 いまだ行方不明の最愛の家族を毎日探しておられる方々にとっては、四十九日といってもとても区切りにはならないことと思います。
 今の私には何をどう誓えば、亡くなられた方々の魂に報いることになるのかわからないのですが、ただただご冥福をお祈りするしかありません。
 明日からのゴールデンウィークには、被災地にボランティアに行かれる方が多いそうです。我が家も近ければ、何か少しでもお手伝いしたかった。福岡は距離的に離れていて、新聞やテレビの報道しか被災地の状況を知る手立てはありません。それも日にちが経つにつれて量的に少しずつ減ってきています。だからこそ、「見えないものを見ようとする努力」をずっと忘れずにいたいと思います。
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by yangzi-o | 2011-04-28 22:56 | 心に残った言葉
 <生きる意味があるか、と問うのは、はじめから誤っているのです。人生こそが問いを提起しているからです。生きることはいつでも課せられた仕事なのです>

 朝日新聞の『本の舞台裏』というコラム欄に「この無慈悲な災害をどう受け止めたらいいのか」といった思いで混乱しそうなとき、精神的な手がかりを得られるかもしれない一冊として紹介されていたので、さっそく図書館で借りて読んでみました。今回の地震と原発事故の前と後では、福岡にいても生き方を変えざるを得ないという気持ちでいます。去年バイクで転んで骨折したことも、のどかな日常の些細な出来事のように思えます。じゃあ、具体的にどうすればいいのか答えはみつからないのですが、壮絶なアウシュヴィッツの体験をくぐりぬけた著者の「人生が私たちに『今とここ』でたえず問いかけるのであり、それに答えることが生きること」というメッセージが心に新鮮に響いています。

 朝からあちこち買い物に出かけ、「タスキ・プロジェクト」へ発送を済ませました。適当な入れ物がみつからず、結局ボストンバックに詰め込んだのですが、郵パックで受け付けてくれたのでホッとしました。近くにある「ギャラリーのろぺこ」で可愛いポーチもみつけました。ボストンバックに入る範囲で考えられうる日用品は詰めたつもりですが、なにせ洋服のセンスがないので「気に入ってもらえるだろうか」とちょっと不安でもあります。当座の寒さを防いでくれればと願っております。

 団地の駐車場の片隅に今年もコスミレが咲きました。厳冬の影響なのか、今年は花数が驚くほど多いです。那珂川沿いもヒメウズ、オオイヌノフグリ、ハコベ等々が例年にもまして咲き誇っています。桜も2分咲になりました。東北地方にも一日も早く暖かな春が訪れますように。
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by yangzi-o | 2011-03-27 20:55 | 心に残った言葉
<テイクオフ・ボード、跳び箱の踏切板ってあるでしょう。私たちはそれなんです。思い切り走って、板を踏み切って箱を飛んだら、もう思い出さなくていい。過去を飛び越えたことに自信を持って、まっすぐに走っていけばいいんです>

 良い本との評判を知ったときには、図書館の予約数は100人を超えていたので、ためらわず購入しました。病院の待合室で読んだら、涙があふれそうになって困りました。「大丈夫ですか。ひどく痛みますか」と看護師さんから声をかけられ恥ずかしかった。
 整骨院に通い始めて1カ月以上経っても未だに階段を降りることができなくて、「本当に完治するんだろうか」と激しく落ちこみそうになったときに、この本に出逢えてよかった。人は無数の匿名のテイクオフ・ボード、生きているだけで、誰かを飛ばし、飛ばしてもらい、一緒に前に進んでいる、それは記憶されたりしなくても忘れられてもいいのだという言葉に元気をもらいました。
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by yangzi-o | 2010-08-26 22:23 | 心に残った言葉
<思えば人生なるものは、特別な技術や才能やらをもって魔法のように作り出すものではない。人が生まれおちたその足下の土くれの下に、最初から埋もれているものではなかろうか。>
<足もとの宝に気付きもせず遠く遠くを眺めやり、前へ前へすすむことだけが正しいことだと吹聴されるような世の中に、いつのまになったのであろう。>

 ベストセラーにはすぐには飛びつきたくたいというあまのじゃくな性格なので、ずっと気になりながらもなかなか買う気になれませんでしたが、寸志も入ったことだし、ついに購入、一気読みでした。
 大学病院で先端医療を学ぶよりも、その大学病院で見放された患者を地域病院で見守る道を選んだ主人公にいたく共感しました。人生の最期はこういう医者に診てもらいたいものです。右膝の負傷では、医療・医者不信に陥ったので、どうしてこんな目に遭ったのかしらと考えながら読みました。患者をベルトコンベアーで運ばれてくる機械の部品のように扱うのか、それとも切実な仕事やら生活を抱えた一人一人の生身の人間として真剣に向き合うのか。自分の体の不調や痛みがただごとではないというのは感覚的にわかるけれど、それをうまく説明できない医学の素人の言葉を真剣に聞いてくれる医者が一人でも多くいてほしいと思いました。
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by yangzi-o | 2010-08-13 18:29 | 心に残った言葉
 「何かをやりたいと願い、そろが実現するときというのは、不思議なくらい他人が気にならない。意識のなかから他人という概念がそっくりのまま抜け落ちて、あとはもう、自分しかいない。自分が何をやりたいかしかない。だれが馬鹿だとか、だれが実力不足だとか、だれがコネでのしあがったとか、だれが理解しないとか、だれが自分より上でだれが下かとか、本当にいっさい、頭のなかから消え失せる。それはなんだか、隅々まで陽にさらされた広大な野っぱらにいるような、すがすがしくも心細い、小便を漏らしてしまいそうな心持りなのだ。自分を認めないだれかをこき下ろしているあいだはその野っぱらに決していくことはできないし、野っぱらを見ることがなければほしいものはいつまでたっても手に入らない」

 『くまちゃん』は今週中に図書館に返却しないといけないので、きょうは残り半分を大急ぎで読みました。会場で注文をいただいた豆本は本日お約束どおりの「納期」で発送できたし、久しぶりに読書に堪能できました。恋愛小説は性に合わないけど、角田さんの小説は好きです。『対岸の彼女』『八日目の蝉』は良かった。『くまちゃん』も仕事がらみの恋愛を題材にしていて、小説の世界にひきこまれました。
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by yangzi-o | 2009-05-07 22:54 | 心に残った言葉

『風花病棟』帚木蓬生

 
 「医者になって十年、なんとか患者の気持ちを汲み取れる治療者になろうとして努力してきたが、二つはなかなかひとつにならなかった。所詮医者は建物の中にいて、雨に濡れる患者を眺める存在だった。たまの雨の中に出て来ても、目だけしかあいていないようなレインコートで重装備し、雨に濡れないようになっていた。」
(「雨に濡れて」より)
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by yangzi-o | 2009-02-28 20:46 | 心に残った言葉

「製本の名人とは?」

 もう十数年前になるけれど、日本エディタースクールから出版されていた藤森善貢氏の著作をむさぼるように読んだ時期があります。
 とくに好きな本は『本をつくる者の心』で、冒頭の十のタイトルで書かれた文章は何度読んでも新鮮です。
 そのなかで、藤森氏が牧製本印刷株式会社の牧経雄氏に「製本の名人とはどういう人ですか」と質問したところ、「製本の名人とは、次に仕事をする人にやりやすいような仕事をする人です」と答えられたという。

 これは言葉にすると簡単なようで、実はとても難しいことです。まずは自分の担当した仕事だけでなく、次の仕事について熟知していなければならない。でも一番難しいのは、自分より他人のことを考えるという心の問題だと思います。仕事全般についてはよく知っているはずなのに、自分の都合を優先して「後は野となれ山となれ」といった人もよく見かけます。反面教材にさせてもらってますが。
 現在70歳前後の方が現役で働いていたころは、まさにこの言葉を体現していました。昨日今日職場に入ってきたばかりの新人が後に仕事をしても、絶対に間違えないような仕事のやり方でした。「後工程にツケをまわすな」と口がすっぱくなるほど言われました。
 
 仕事をつづけている間は、この言葉を忘れずにいたいと思います。
 
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by yangzi-o | 2008-12-06 23:28 | 心に残った言葉