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日々あれこれ


by yangzi-o

11月読了本

◎◎「さぶ」(山本周五郎)
◎「おたふく物語」(山本周五郎)
◎「松風の門」(山本周五郎)
◎「扇野」(山本周五郎)
◎「四月のあやめ」(山本周五郎)
◯「17歳のうた」(坂井希久子)
◯「シャルロットの憂鬱」(近藤史恵)
◯「BAR追分」(伊吹有喜)

 山本周五郎さんの小説は10代後半から20代初めにかけてはまってほぼコンプリートして燃え尽きていました。それから◯十年、平凡ながらそれなりに人生の波乱を経た今、再び読み返してみると、しみじみと心に染みわたってくるものがあります。「さぶ」は圧巻でした。

「すべて芸術は人の心をたのしませ、清くし、高めるために役立つべきもので、そのために誰かを負かそうとしたり、人を押し退けて自分だけの欲を満足させたりする道具にすべきではない。鼓を打つにも、絵を描くにも、清浄な温かい心がない限りなんの値打もない。……人と優劣を争うことなどはおやめなさいまし、音楽はもっと美しいものでございます、人の世で最も美しいものでございます」(鼓くらべ)


 今年は夏からずっと心の中で悩み事を抱えていたのですが、この文章でかなりすっきりしました。


by yangzi-o | 2016-11-30 20:10 | 読書